採用情報ニュース

KAIZEN(5S+QC)

雑草だらけの公園 ~改善の目的を見失わない

2019年12月14日、1年間の小集団活動(改善活動、当社ではグループ活動と呼んでいる)の成果を社内で発表する機会を得ました。画像等で概略の紹介をしておりますので、雰囲気を感じたいという方は是非
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以下、本項ではこの催しを社内改善発表会と呼ぶこととします。

さて終戦後に始まったQCサークル活動を盛り上げてくださった諸先輩が今、日本の産業界から引退を始めております。QCサークル全盛期のことをご存知の方々も少なくなりつつあるように思います。QCサークルの盛り上がりの衰退の後、日本がバブルに湧いて浮かれ始めたような気もしております。

「日本の現場力強化(または回復)」というような言葉も聞かれる昨今でありますが、当社は5Sを基本に据えた改善活動を推進しています。QC活動が5S活動に姿を変えてはいますが、かつてのQCサークル運動と同様、ボトムアップの流れを社内に生み出したくてグループ活動を実施しています。

なぜ5Sなのかということを、先ずお話します。お客様から「きれいな工場」と言っていただきたいという願いはもちろんありますが、5Sがきちんとできない工場ではせっかくの改善活動の成果も維持されず、後退してしまうと考えているからです。後戻りしない改善活動を進めるには、「まず5S」と当社は考えているのです。

次にグループ活動の進め方・方向性について、社内改善研修会の場で当社社長より改めてお話がありましたので、ご紹介します。


最近、社長の近くの公園が草ぼうぼうになっておられることが気になったそうです。それには次のような経緯があったそうです。
当然最初は草の生えていない「普通」の公園でした。心優しい(?)大人たちは、「ブランコで怪我をしてはいけないので、ブランコを撤去しよう。」と話し合ったそうです。確かにブランコの近くで子どもたちが遊べば、怪我をしないとも限りません。ブランコに乗るのは小学生くらいの大きな子、ブランコに乗れないのは小さな子たちです。
ブランコを撤去して「安全」な公園となりました。ブランコがなくなって広くなった公園では、今度は子どもたちがボールで遊ぶようになりました。ボールが公園の外に出てしまい、それを追った子どもが急に道路に飛び出して交通事故に遭ってはいけないと、心優しい(?)大人たちはボール遊びを禁止しました。
「安全」になった公園では、遊ぶ子どもが一人二人と減って行き、ついには子どもの遊ばない公園になってしまいました。子供たちのいない公園は維持管理が行き届かず、いつの間にか草だらけの土地になっていました。


実際に起こったお話だそうです。「自分たちの目指しているグループ活動は、この公園と同じになってはいけない。目的を見失った改善は慎もう。だから自分たちのグループ活動が本来の目的とずれた方向に進んでいないか、自分たちでチェックしなければならない。」という社長からの警鐘でありました。

今年の社内改善発表会では、次のような方針で臨みました。
1) 1年間の活動を振り返り、発表に適したテーマを1つ選ぶ。よって基本的には、完了している活動についての報告となる。社内改善発表会に向け、取ってつけたような活動を始めてはならない。
2) 発表時間は5分間とするので、聞いている人が「なぜこのような活動を始めたのか、職場で困っていたことがわかるように最初に説明を入れること。
※ 会場の都合で、これ以上の時間を確保することが困難であったため、今年は5分間の発表とした。
3) 発表時間を守るため、原稿を予め用意すること。読む速度は1分間に300文字を目安とすること。
4) スライドはできるだけシンプルな画面とすること。スライドが着飾ると、内容よりも視覚から受ける印象に注意が行ってしまう。同様の理由から、アニメーションを多用しないこと。
5) スライドを見ていただく時間を確保するためには、原稿が長い所は1つのスライドを2つに分割するとか、逆に原稿が短ければ2つのスライドをアニメーションを使って重ねて表示する、といった工夫を施す。
6) 発表の最後では、職場で困っていたことが本当に解決できたのかを検証し、その結果を発表・見せること。

発表毎に役職者より講評をいただきました。


全部で9グループの発表を行いましたが、発表を終えた後の社長の感想は「普通の出来映え」でした。来年はもっとレベルアップした活動を行い、その結果として発表内容もより充実したものになるようにとのお気持ちであっただろうと推察しました。勤務時間中に時間をいただいて行っているグループ活動ですので、社長にも「いいぞ。」と言っていただけるような活動を目指しておりました。まだご希望の水準とはかけ離れているような気がしますので、次期(第23期)ではグループの知恵を結集したことが見える活動にしたいと思いました。そのためには年が改まったところで、グループ活動に少し軌道の修正を掛けて行きたいと反省した次第でおります。

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