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金属と金属加工(コラム2)

当社はお客様の仕様を注文書で受け、それに合わせて金属プレートを加工し、供給する会社です。当社の金属加工技術とすると、切断、フライス、研磨、面取り、バリ取りといったところを挙げることができます。

 

このコラムでは、金属加工の範囲をできるだけ広げて考えることで、当社の技術がどのような分野に特化しているのかを眺めてみたいと思います。

 

【そもそも金属とは】

金属加工に入る前段で、まず「金属とは何か」を定義してみたいと思います。厳密な議論ではなく、ざっくりとした金属という物質のイメージをつかむことが目的です。辞書で引くと「金属とは金属的性質を持った物質」と書かれているものもあります。それでは金属的な性質とは、いったい何でしょか?外観に銀色のような金属光沢を持っている物質でしょうか?

 

ここでは物質がどの位電気を通しやすいのか、導電率で分類してみます。

電気を良く通すものが金属、

通さないものが絶縁体、

その中間が半導体

と分けて考えます。電気を良く通すというのは、物質の中に自由電子がウジャウジャあって、電圧を掛けると一斉に自由電子が動き出して電流が流れるというイメージです。電圧の代わりに熱源を置くと、自由電子たちが元気に動き回って、隣へ隣へと運動エネルギーを伝えて行きます。熱源から温度が良く伝わるということですので、金属とは熱を良く伝える性質も持ちます。

 

ところで自然界にはどのような金属があるのか、まず単体の物質(1種類の元素からなるもの)から眺めてみます。全体像を知るには、周期律表が役立ちます。Wikipediaより引用します。

周期律表の右側の方に、水色で塗られた元素が右下がりに帯状に並んでいます。上の周期律表では「半金属元素」と呼んでいます。これらの元素が半導体です。その帯の右側に、白抜き表示の元素があります。上の周期律表では「非金属元素」と呼んでいます。これらの元素が絶縁体です。そして残り、つまり周期律表の大部分の元素が金属ということになります。

 

しかし自然界に存在する鉱物資源には、1つの元素からなる純粋なものはほとんど存在しません。取り出したい「目的の元素」から見ると、必ず不純物が含まれております。不純物を除去することにより、純粋であればあるほど価値の認められるものとすれば、純金であったり、半導体のシリコンウェハーのようなものがあります。純金は周期律表79番のAu、シリコンは周期律表14番のSiです。

もし鉄の元素記号がなぜFeなのか興味を覚えた方は、むらの鍛冶屋様のホームーページで、

『鉄とステンレス』のページに入り、『鉄とステンレスの質問箱 1』をご覧ください。その他、鉄に関するいろいろな知識を仕入れることができます。

 

話を当社で扱っている鋼材に移します。当社で扱っている鋼材は通常、1つの元素からなる純粋な金属ではありません。合金と世の中で言われているものです。合金とは
一つの金属元素に一種類以上の別の金属元素または非金属元素を結び付いた物質で、全体として金属的性質をもつもの。
と定義できます。当社の社名でありますシュタール(ドイツ語で「鋼」という意味)は、鉄と炭素、その他の元素の合金ということになります。本コラムではこの辺で終わりとします。

当社で扱っております鋼材=合金(金属材料)につきましては、別のコラムで改めて取り上げて行くこととします。

コラム№ タイトル
3 アルミニウムとその加工
5 ステンレス(執筆中)
6 普通鋼(企画中)


【金属加工のこと】

さて本題の金属加工ですが、このコラムの目的であります全体像をご紹介したいと思います。金属の加工方法の分類方法にはいろいろなやり方があるでしょうが、ここでは加工により製品質量(被加工物であるワークの重さ)が減るのか、増えるのか、あるいは変わらないのかという観点で分類してみました。つまり金属を構成する原子数が、加工により金属本体から減って行くのか、どこからかやって来て金属本体にくっつくのか、あるいは変わらない(または移動するだけ)なのかで分けてみました。厳密さを余り追求しないようお願いし、お付き合いください。

 

(注) 複数の金属を繋ぎ合わせることを一般的には接合と言います。これも金属加工の1種でしょうが、本コラムでは金属単体(1枚の金属プレート)に対する加工に限定させていただきます。

 

当社にある加工を赤字にしておきましたが、大雑把に言って下のような表にまとめることができると思います。

金属原子数の増減

(重量増減)

金属加工の種類 金属加工の説明 具体的な加工方法
減少 切断、切削 刃物によりワークを削る。 バンドソー切断加工

丸鋸切断加工

旋削加工

フライス加工(注1)

穴あけ加工

歯車加工

ブローチ加工

研削 砥石によりワークを削る。 平面研削

円筒研削

芯なし研削

両面研削加工

ホーニング加工

超仕上げ加工

ELID研削

面取り加工

砥粒研磨 砥粒によりワークを削る。 ラップ加工

バレル加工

放電加工 電極とワークの間で放電させ、ワークを削る。 ワイヤ放電加工

型彫り放電加工

溶断、切断 溶融あるいは高エネルギーでワークを切断する。 レーザ切断

ガス切断

ウォータージェット切断

変化なし 鋳造 金属を溶融し、型の中で凝固させて所定の形状にする。 重力鋳造

ダイカスト鋳造

低圧鋳造

ロストワックス

連続鋳造

塑性加工 金属を大きい力で塑性変形あるいは切断し、所定の形状にする。 自由鍛造

型鍛造

押し出し

引き抜き

圧延

曲げ加工

深絞り加工

せん断加工

ファインブランキング

順送型プレス加工

焼結 材料粉で所定の形状を作り、焼成することで強度を得る。 焼結加工
熱処理 熱サイクルにより金属材料の組織を改善する。 焼き入れ

焼き戻し

焼きなまし

焼きならし

表面熱処理 金属材料の表面のみの組織を改質する。 炎焼入れ

高周波焼入れ

レーザ焼入れ

電子ビーム焼入れ

浸炭焼入れ

浸炭窒化焼入れ

窒化処理

増加(注2) 電気化学処理 金属材料の表面に金属膜、酸化膜を生成させる 電気めっき

無電解めっき

3価クロム化成処理

リン酸塩処理

アルマイト処理

塗装 金属材料の表面を塗料の被膜で覆う表面処理法 流し塗り

ローラー刷毛塗り

電着塗装

スプレー塗装

静電粉体塗装

流動浸漬塗装

積層造形 必要な部分に材料を付加・固化し所定の形状を作る 金属3Dプリンター

 

(注1)「お知らせ」のページのコラム1を参照ください。

(注2)電気化学処理や塗装では、一般的に金属材料の酸化膜を除去するという工程が最初に来ます。よって厳密に言えば重量は一度減ってから増える事になりますが、最終的には重量増加と言えると思います。

 

当社の加工は、全てが重量減に分類されることに特徴があります。仕入れた鋼材を切り出し、その表面を削るという仕事であり、工程が進むにしたがって製品重量が減って行きます。減った分は切り粉として業者に引き取っていただき、残ったものが商品として出荷されて行きます。模式図で描くと、次のようなイメージであります。

穴明けやめっき等の表面処理を、当社では2次加工と呼んでおります。現状、2次加工は当社の営業外であり、お客様での手配をお願いしております。

 

なお切削加工や塑性加工の全体像をより詳しく知りたい方は、キーエンス様ホームページより『機械加工入門』をご覧ください。より広く、個別の加工機械に関する情報を得たい方は、工作機械のイロハ様のホームページ『誰でもわかる!工作機械・板金機械を徹底解説』の工作機械の欄をご覧ください。

 



【来歴】
2019年10月22日 公開
2019年12月26日 【金属加工のこと】の直前に表を追加し、他のコラムで取り上げている/取り上げる予定の鋼材を案内

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