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コラム

フライス加工とは(コラム1)

当社の商品は大雑把に言って、6面フライスの金属プレートと言えます。多くのアルミニウムのプレートのように4面フライスであったり、あるいは円柱形状の金属製品もあったりします。しかし圧倒的に、6面フライスの金属プレートのご注文が多くあります。

6面フライスの金属プレートとは、直方体形状の金属プレートの6面(天面、底面、4つの側面)すべてに、当社のフライス盤によって切削加工を施した商品ということになります。

 

さてフライス加工とは、英語ではMill、Millingと言います。それではフライスとはいったいどこの言葉でありましょうか?Web上でWikipediaを調べますと、日本語の「フライス」は、ドイツ語の「Fräse」や、フランス語やオランダ語の「Fraise」(襞襟の意味)に由来するとのことです。参考のため、同じくWikipediaより、襞襟の画像を引用しておきます。

 

襞襟(ひだえり)の画像例

 

オランダ語と聞くと、何か明治時代の香りがしませんか?調べてみましたら、ありました。明治時代に使われた機械を作るために利用されたのがフライス盤です。もちろんそれ以外の工作機械もあったでしょうが、現存していました。


新増澤製作所所蔵の横フライス盤

明治時代の代表的な産業であります製糸産業(生糸)で使っていた機械を製作するために、フライス盤が使われていたと思われます。画像は、当地諏訪、正確には岡谷市にある新増澤製作所所蔵(※)の横フライス盤です。新増沢工業株式会社は明治29年創業の、日本に残る数少ない製糸機械メーカーです。大正10年には合資会社増澤商店となって全国進出をし、昭和になると海外にも進出しております。戦前、戦後の復興期にかけて、増澤式多条繰糸機を開発し、現在も製糸の機械を作り続けています。

 

さてフライス加工とは、回転軸に取り付けたフライス盤という切削工具を回転させて行う加工です。ワーク(金属製品)はベッド(テーブル)に固定され、刃物が回転して動くという位置関係です。また製造設備(工作機械)自体をフライス盤とも呼びます。

工具の形状から分類すると、次の図のようになります。

さまざまなフライス加工

 

 

 

 

 

正面フライス       エンドミル          溝フライス

当社のフライス加工は全て正面フライスですが、刃物を回転させる主軸とベッドの位置関係から、フライス盤を2つに分類することができます。

主軸(A)とベッドの位置関係 フライス盤の分類 フライス盤の説明
【垂直】 立フライス盤 主軸はベッドに対して垂直方向にあり、正面フライスを用いて正面削りを行う。

一度のフライス加工で削るのは1面であり、逆の面(天面に対し底面)をフライス加工するにはワークを反転させる必要がある。ワークが軽ければ人の手で裏返せるが、ワークが大型になって重量が増すと、反転させるにも手間がかかる。

【水平】 横フライス盤 主軸はベッドに対して平行な位置にあり、ベッド上に工作物を固定するテーブルを置き、正面フライスを用いてワークの側面に正面削りを施す。

当社の場合、主軸を2本向い合せて用意しておき、ワークの相対する面を同時にフライス加工する「両頭機」が圧倒的に多い。

ワークがベッド(テーブル)に固定され、円周上に配列された刃物が回転してワークの表面を削って行きます。その時、ベッドはY方向(製品の丈方向)に少しずつ送られて行きます。円形状の切り口が少しずつ横にずれて行くイメージです。いくつもの円が重なった模様が製品表面にできます。この紋様を「挽き目」と呼びます。挽き目は会社ごとに個性があり、その会社が最も美しいと考えている挽き目でフライス加工されて行くことになります。

当社の6面フライス加工の商品には、6面に当社のシンボルであります挽き目がくっきりと残っています。ただしお客様の要望や仕様でフライス加工後に研磨加工を施した場合は、その面にフライス加工の挽き目は残っていません。


当社のフライス加工のイメージが少し湧いて来たでしょうか?最もオーソドックスな6面フライスならば、次のような手順でフライス加工されて行きます。

1) 天面を立フライス盤でフライス加工・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・これが基準面となる

2) ワークをひっくり返し、底面を立フライス盤でフライス加工・・・・・・・・・・・・・・・基準面に対して平行

3) 両頭機(横フライス盤)にワークをセットし、相対する側面2面を同時にフライス加工・・・基準面に対して直角

4) 両頭機のテーブルが自動で90°回転し、残り2面の側面を同時にフライス加工

 

(注) 本コラムで使用しました画像は、特に断りのない限り、『機械加工入門』(株式会社キーエンス様のホームページ)を引用しております。詳細をご確認されたい方はこちらよりご覧ください。

(注※)現在の新増澤製作所の『製糸機械製造』のホームページより。

 

なお、本コラムに転載しました横フライス盤を確認される場合は、岡谷市観光協会の旅たびおかやのサイトよりご確認をお願いします。
トップページ >「見る・楽しむ」と進んでください。

 

(注)フライス加工を含む切削加工全般、更には機械加工全般について、より詳細を知りたい方は、『工作機械のいろは』のサイトが役立ちます。

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